「子供がなかなか起きて来ないんです。」

そういう問い合わせが「無料相談」から、たくさん届いています。不登校の子供に効果的な「朝の起こし方」について専門家のご意見を交えながらお話してまいります。朝、起床時間に起こす事で、学校へ行く気持ちを持たせてあげたいと思うのは親として当然の感情です。

しかし、何度声掛けをしても、体をゆすっても、5分おきに大声で「起きなさ~い!」って言っても、反応が無いような状態だと思います。そして、保護者もほうも徐々に疲れが出て来て、起こす事を諦めるようになります。その結果、起床時間がさらに遅れてしまいます。お昼過ぎに起きるようになると、自然に寝る時間も遅くなり、深夜を過ぎて、朝型に寝る「昼夜逆転」になってしまう不登校の子供たちがたくさんいます。起こそうとすると、暴力を振るう子もいます。

「起立性調節障害」と診断されている方もいらっしゃるかもしれません。その場合も、起こし方については変わらないと考えていただいて結構だと思います。

不登校の多くの子たちは心の病気でも、親の子育てが悪いわけではありません。全く別のことが原因で不登校は起きます。正直に言うと、子ども自身も自分が、なぜ不登校になっているか理解していません。自分でもわからないんです。

みんな「心の問題」だって言うんだけど、実は違います。心が問題なら、時間が経てば、解決するはずですよね。でも、状況は悪化する一方です。それじゃあ、心の問題じゃないです。私たち、生きていれば嫌なことだってある。でも、1年前に自分が何悩んでいたかは、ほとんど思い出せないはずです。時間が解決してくれたからですよね。

不登校は違います。1年経過している子はたくさんいます。1年前の悩みと同じ悩みを持っています。心ではないんです。これがわからないと、不登校を解決することってできないです。お母さんたちが言われるように、不登校の問題そのものと朝起きないことは切り離さないと、解決できません。不登校で朝起きてくる子やゲームに依存していない子ってたくさんいます。

別の問題だってことなんですよね。もちろん、きっかけは不登校ですよ。

このまま起床が遅れて、夜中までゲーム依存が続くと学校へ戻る前に、精神状態が不安定で心の病気を患う可能性が高いです。
生活リズムが狂うと精神は不安定になって当然ですよね。それで、中学卒業まで不登校が続く。その後はどうなるかわかりません。みんな高校進学で苦労しています。希望の進路へ行ける子ってほとんどいません。学力で言えば、2つも3つも下の高校へ行くことになります。

高校へ入学しても、不登校の根本問題は何も解決していません。だから、高校でも不登校になってしまうんですよね。そうなると高校を退学して、ニートになる。世の中に残念ですが、そういう子たちがたくさんいます。恥ずかしくて誰も言わないですが、たくさんいるんです。だから、何としてでも昼夜逆転を解決していかないといけません。

なぜ起きる事に抵抗するのか?

それは不登校の子が3つのストレスと戦っているからなんです。これらのせいで、起きないんです。

1:学校へ行けないストレス
2:罪悪感
3:親のプレッシャー

この3つのストレスを避けるために、朝、起きられないんですね。朝起きれば、この3つのストレスが同時に襲ってくるので、耐えられない。だったら、昼夜逆転したほうがいいですよね。体が脳が、朝を避けているんです。それで、特に3:親のプレッシャーが強い子が昼夜逆転になる傾向があります。

朝起きれば、必ず親が「学校は行くの?」と言うんです。行けないのが分かっているのに、聞かれる。すごいストレスですね。起きたら、学校へ行け!と迫られる。それなら起きるのをやめよう!としてしまう。

実は、起きないのは起こし方が悪いのではなくて、その前段階の親子関係のパワーバランスが原因なのです。

では、どうすればいいのでしょうか?

親のプレッシャーが、今より少し減れば、起きる事の恐怖感が減り、ゲームの依存度も少なくなっていきます。単に褒めればいいと思ってるのも間違いです。自分のことを理解してくれていない人、喧嘩している人から急に褒められても、誰も嬉しくないです。ご機嫌取りに見える。ポイントは、「自分の辛い気持ちを理解してくれている親」だってことなんです。

それを解決してくれるのが「共感の会話法」です。

「学校へ行けなくて辛いよね。わかるよ、その気持ち。朝起きたら、学校へ行けって言われるのが嫌ななんだよね。お母さんならずっと寝て隠れてるけど、それでもあなたは起きてくるから偉いよ。お母さんにとっては、あなたが朝起きるだけで、学校へ行っているのと同じ事だからね。安心するんだよ。」

この会話法を実践することで、親子関係が改善していきます。昼夜逆転だった子でさえも、翌朝から、何も言わなくても、普通に起きるようになったりもしています。ひきこもりで自分の部屋にこもっていた子が、リビングで過ごすようにもなります。親子が共感を互いに抱くことで、関係は改善します。子どもが感じているの親のプレッシャーもなくなり、ストレスが減るんですね。こうなって、ようやく朝、普通に起きようとします。家の中では普通に過ごせるようになれば、学校へ向かう気持ちが出てくる。本当に驚くほど変わりますよ。

親の方が「自分は正しい」って気持ちが強くて、子どもの気持ちを理解していないことが原因だったりします。少なくとも子どもはそう思っています。

でも、昼過ぎまで寝ている状態はおかしいですよね。やっぱり少し接し方を直した方がいいですよね。「共感の会話テンプレート」を使えば、大丈夫です。それでは、今すぐ、共感の会話で子どもの考えを理解してあげながら、親子関係を改善してみてくださいね。

引用先:http://futokou.blog106.fc2.com/blog-entry-1667.htm