不登校になって家に居る時間が長いと、ゲーム・スマホ・パソコンをやる時間も長くなります。その習慣が一度身についてしまうと、抜け出せなくなってしまいます。すると、夜遅くまでゲームをやって、朝起きられなかったりもします。さらには、ゲーム以外は何もしない「ゲーム依存」状態になることもあります。

ゲーム依存症の10チェック項目

①始める前に決めた時間より長く、ゲームをしていることがある。
②ゲームに夢中になり、やるべき事(勉強や習い事など)をさぼったことがある。
③何をもっても、ゲームを優先する傾向がある。
④自分の事より、ゲームの内容が気になって仕方が無い。
⑤日常生活の中で、常にゲームのことを考えてしまう。
⑥人に言われ、ゲーム時間を減らそうと試みたが、出来なかった。
⑦徹夜ゲームもいとわない。
⑧ゲームを邪魔をされたときに、怒鳴ったり、取り乱したりすることがある。
⑨日常生活では、あまり面白くないことが多いが、ゲームの中でなら楽しくいれる。
⑩オンライン上の友達の方が現実よりも多い。

引用先:http://hapila.jp/video-game-addiction

依存症とは何か?

依存症とそうでない場合の区別がなかなかわかりません。依存症の典型例がアルコール依存症です。

依存症は大きく分けて、物質依存とそれ以外のものとに分けられています。

物質依存症・・・アルコール依存症、薬物依存症、タバコ(ニコチン)依存症のように、ある特定の物資を摂取し続けなければ気が済まない状態です。物質依存の場合、大きな特徴として「耐性」と「離脱」という症状が現れます。耐性というのは、ある特定の物質をとり続けることにより、徐々にそれまでの摂取量では我慢できなくなっていって摂取量が増えてしまうことです。

アルコールの場合、初めはボトル1本だったものが2本、3本と増えていって、しまいには朝から晩まで飲み続けないと気がすまなくなってしまう例はよく耳にします。もうひとつの離脱は、依存している物質を摂取しなくなると我慢できなくなって情緒不安定になってしまうというものです。わかりやすくいうと禁断症状が現れます。この時の物質は、アルコールや薬物、ニコチンのように体に悪いといわれるものが多く、この状態が続くと脳は満足しても体が破壊され、取り返しのつかないことになります。

それ以外の依存・・・ゲーム依存症やギャンブル依存症などのように、ある特定の行為に必要以上に熱中してしまう状態です。大体、やっている行為は自分にとってまずいものなのはわかっていますが、どうしてものめりこんでしまいます。こちらの場合もやはりやらないと我慢できなくなるという離脱の症状が現れます。

体にとって悪いものを摂取するというわけではありませんが、ギャンブルなどに熱中する余り金銭問題を引き起こしたり、ゲームに熱中する余り仕事に行かなくなったりと、社会的に問題になることが多いです。

他に、他人との人間関係を頼りにしないと我慢できないという人に依存するケースもあります。 どちらのタイプの依存症でも、気分的に我慢できないだけでなく、手が震えるとか、内臓の調子がおかしくなるとか、体に異変をきたすケースが多いです。

依存症の原因

依存症になってしまう原因は昔から研究されており、今では原因がほとんど判明しています。

物質依存の場合は、アルコールやニコチンなどが脳の神経細胞に作用して異変を引き起こし、脳の神経機能を変化させ、アルコールやニコチンなしでは正常な状態が保たれないようになってしまうのが原因だと考えられています。脳に作用する薬物というのはコーヒーに入っているカフェインなどいろいろなものがありますが、その中でもアルコールやニコチン、さらにドラッグのような薬物は脳神経の変化を引き起こしやすい傾向があります。

脳神経が変化したまま放っておくと、脳は常にその薬物を摂取しないと正常ではないという認識が行われるようになって症状が現れるのです。しかも、脳神経に耐性ができて、それまでの量では正常に保てなくなり、摂取量が増加していくという悪循環に陥ります。

それ以外の依存の場合、薬物摂取ではなく、何らかの行動依存の場合は、その行動をしたときに脳内で興奮作用を引き起こすドーパミンが過剰に分泌され、その時の快楽気分が脳に記憶されてしまうことから始まります。

誰でも自分の好きなことをしている時は楽しいですし、その時は誰の脳の中でもドーパミンが分泌されていますが、通常ならばある程度の抑制力が働き、実生活に破綻をきたすことにはなりません。しかし、ストレスなどで脳内のバランスが崩れている場合、ドーパミンを分泌量以上出ていると脳が勘違いしてしまいます。

普通の人が「楽しい」程度で済む所が「無茶苦茶面白い」というレベルで感じてしまうわけですね。この状態が進行すると、この面白さを脳が常に求めてしまうようになり、延々と同じ行動を繰り返すようになってしまうわけです。従って、ギャンブル依存症とかゲーム依存症とか代表的に言われているもののほかにも、人間が楽しいと思えること何でも依存症になる可能性を誰もが持っているのです。

引用先:http://www.brain-studymeeting.com/sick/izon/

このように、段階を経ながら依存症へと人は進行して行く事が分かります。そして、その状態が習慣化されることで、無意識にゲームやスマホを手にしてしまいます。

ゲーム・スマホ依存の治療法

ストレスのはけ口として手元にあるゲームやスマホやパソコンを利用しているのが、不登校の子の場合の原因だと考えられます。不登校の専門家の多くは、親子関係の亀裂がゲーム依存のきっかけになる事が多いと指摘しています。不登校のストレスについて話す相手が家庭内にいないために、ゲームやスマホへ逃避している状態を改善するのが一番だと言われています。

不登校のゲームやスマホ依存を抜け出すためには、親子の会話が成立する事が大切です。親も敵になっているから、一人で不登校のストレスを抱えないといけない。それに耐えられないから脳の中をゲームやスマホ、パソコンの動画で満たす事でストレスを考えないようにするのです。ゲームをしている間は、学校の事を忘れられるから、ゲームに頼っています。

痛みがあるから、痛み止め薬を飲むのと同じです。

でも、これを続けていても解決する事はありませんよね。痛みの原因を直視しなければ、抜け出せません。不登校の場合は、まずは親子関係の改善をすれば、多くの子どもたちはゲーム依存・スマホ依存から抜け出してくれます。

「あの子は何を言っても言う事を聞かない!」

と、嘆いているお母さんがたくさんいます。そう思うのは当然です。しかし、それは子どもの方も同じ事を感じています。「あの親は何を言っても理解しない。」これが親子の関係を悪くして、ゲーム依存へと進ませているわけです。この親子のスレ違いを改善するのが先です。親が思っている以上に子どもは親の事を嫌っています。それがゲーム依存の原因です。ゲームが悪いのではありません。だから、ゲームを取り上げても違うことへ依存して行くようになります。逃げ場を探すのです。

では、どうすればいいのか?

これは簡単です。「共感の会話法」をしてあげれば、解決していきます。会話の前に、一番効果的なのは子どもと一緒にゲームをすることです。そうすると子どもが親に共感を持ってくれるようになります。高校生の息子さんは反抗期でもあるので、お母さんに対して厳しく当たる可能性があります。できない場合は、共感の会話を実施して下さい。あるお母さんが成功例を教えてくれました。

「学校へ行けなくて、辛い気持ち、わかるわよ。あなたは行こうとしているのは、お母さん、分かっているからね。お母さんだったら毎日泣いて、泣いて、家を飛び出してる。あなたは耐えているの。それは、もう学校へ行っているのと同じだからね。」

と、ドア越しに言ってから、翌日からリビングで過ごすようになり、普通の会話が出来るようになったそうです。ゲームの時間も大幅に減って、夜も普通に寝られるようになり、朝も起きてくる。大きな変化が起きたそうです。子どもの持っている不安を先に言ってあげて共感してあげるだけで、ゲーム依存からは改善できます。親子関係が全てだと思います。

しかし、ゲーム依存が長期化している場合は、大きく環境を変えて生活習慣を整えなければいけない可能性もあります。ですから、早目に親子関係を改善して下さいね。

引用先:http://futokou.blog106.fc2.com/