不登校になる子には「居場所」がありません。学校で友達がいない場合の居場所。学校と断絶している場合の社会的な居場所。孤独で一人でいると、精神不安定になり、対人恐怖症の症状がでてくる場合があります。共働き家庭の場合は、昼間に一人で過ごす事になります。1日や2日なら問題はありませんが、1年以上も親や家族以外と接する事がないと思春期の成長に支障が出てくると言われています。児童心理学の専門家の先生によれば、同世代の子供たちと触れ合う事でしか成長できない部分があると言います。少しでも不登校の子に居場所を作ってあげて、安心、安定した心をもたらしてあげましょう。

学校内の居場所

不登校でなくとも、学校内で居場所がなければ、学校で孤立してしまいます。不登校を専門としている学校などが実際に行っている居場所づくりを参考に紹介していきます。

クラブ活動

教室へ入る事はできないけど、クラブ活動に参加する事ができる不登校の子がいます。学校を休んでも、放課後のクラブ活動や休日のクラブ練習などには参加する可能性はあります。そこで学校とのつながりを保てるようにしてあげると良いでしょう。

保健室

教室へ入れない子の逃げ場として保健室が使われる事がよくあります。養護教諭の中には心理カウンセリングの知識がある方がいます。保健室内で不登校の子同士が意気投合する事もあります。一時的な居場所として有効に機能している学校もたくさんあります。ただし、養護教諭と担任・クラブ顧問との関係・連携は軽薄な学校もあるので注意が必要です。

相談室・別室

不登校の子の為に、教室とは別に特別教室・相談室などの別室を作っている学校もあります。そこでは手の空いた先生が交代で相手をしてくれる場合があります。授業のプリントをやらせている学校もあるようです。中には、子供一人だけが特別教室で何時間も過ごさないといけないような対応もあるようです。子供が学校へ行く意味を見いだせなくなる可能性があるので、長期の居場所としてはお勧めしません。

スクールカウンセラー

各学校に常駐している場合もありますし、地域の学校を順番に回っている場合もあります。スクールカウンセラーの相談員と話をする事で、子供の心がスッキリする場合もあります。複数の不登校を抱える学校だと予約を取れなかったり、子供の思うように話が進まない場合もあるようです。保護者のみがスクールカウンセラーと話し合うことも可能ですので、ぜひ利用してみましょう。

サークル活動

不登校を専門的に受け入れている学校では、クラブ活動の他にサークル活動を取り入れています。通常の学校にあるクラブ活動では居場所が見つけられない生徒の為に、子供自身がやりたい事をサークル活動として小規模で活動させます。最初は1人の生徒しか所属していなくとも、少しずつ生徒が増えて、仲間が出来る場合もあるようです。柔軟な対応をしてくれる学校と相談してもいいかもしれません。

社会的な居場所

学校へ一歩も入れない子にとっては、家以外で居場所を見つけなければいけません。不登校の子や貧困家庭の子、家庭内暴力などの問題を持つ子などが、集まる場所として教育委員会・NPO法人などを中心に作られています。

フリースクール

欧米で発達したフリースクールと違い、日本では不登校の子の為の教育機関をフリースクールと呼んでいます。フリースクールの規模や活動内容はきわめて多様であって、民家やマンション、事務所ビルの一室を借り、スタッフや子供を合わせても10人に満たないような 小さなものから、在籍数が100人を超える大きなものまであり、一般の学習塾が不登校の子供を受け入れてフリースクールと称している例もあります。無料ではなく、塾のように月謝が必要となってきます。現在、日本全国の平均で月額3万円前後となっています。お近くのフリースクールの検索は不登校総合ナビさんで検索されて下さい。

適応指導教室

不登校数の増加とともに、各教育委員会において学校外の教育機関として「適応指導教室」が設置されました。各地域で呼び名は様々です。ここでは、元校長先生などが室長として運営しており、ここに通うだけで出席扱いとなるようになっています。学校へはいけないけど、この教室で友達ができて、元気になっている不登校の子もいます。公的機関ですので、無料で利用できます。

思春期外来・心療内科・民間カウンセリング機関

居場所と言うほどではありませんが、思春期外来・心療内科および民間のカウンセリング機関で外部の人たちと会話する機会があります。ただし、居場所として利用すると毎回のカウンセリング料が60分1万円程度必要になってくる場合もあります。

児童相談センター(室)

各教育委員会の相談窓口として児童相談センター(室)があります。家庭内暴力・虐待などを含めた相談から、不登校の相談までを受け付けています。場所によっては訪問して相談することも可能です。一度、ご相談されてもいいでしょう。

家庭教師

不登校専門の家庭教師というのも存在しています。若い学生が話し相手として、家を訪問してくれることで大人とは違う感覚で心の悩みを打ち明けてくれる場合もあります。学生なので、経験も少なく未熟ですが、お兄さん、お姉さん代わりに利用する事もいいでしょう。

個別指導塾

学習の遅れに対して不安を持っている不登校の子には個別指導塾の選択肢もあります。大手の個別指導塾でも不登校の子向けの対応をしてくれています。居場所として利用する事で、同時に学習サポートも可能となるので、大学進学等を目指している子にはおすすめです。

山村留学

上記まで機関に行く事を拒否する不登校の子の場合は、短期の山村留学をする子がいます。都会で暮らしている不登校の子にとっては自然に触れ合える大切な機会です。ただし、不登校に精通している人が運営していない施設もあるので事前の調べをしておいてください。

ネット掲示板・共有ゲーム

どことも繋がれない不登校の子は、ネットやゲームの世界の人と繋がる場合があります。同じ不登校とケースが多いようです。そこでさまざまな情報交換が行われています。ただし、マイナスな方向へ走ってしまう子もいるので、精神的に不安定で薬を服用しているお子様の場合は医師と相談して下さい。