中学生の不登校にとって、最大の関心ごとが高校進学です。高校進学を期に長い不登校生活から抜け出す。そのためには、高校進学を慎重に考えなければいけませんね。小学校の不登校の子供たちの8割以上が中学校進学後も不登校が続いています。高校の場合は明確なデータはありませんが、不登校の専門家によれば6割、つまり5人中3人の不登校の子は高校進学後も不登校が続くと言います。正しい高校進学先の選択で、楽しい高校生活をさせてあげましょう。

全日制高校

一般的に高校と言えば、全日制高校です。修業年限は3年間。授業は日・祝日や夏休みなどの長期休暇を除いた週5〜6日が基本。1日6時間程度の授業があり、毎日学校に通って授業を受けます。一部単位制の学校もありますが、大多数は学年制となっており、各学年の進級要件を満たすことで進級。第3学年修了と同時に卒業が認められます。

公立高校

各都道府県の教育委員会が設置しているのが公立高校です。中学と違い学区制がないため、偏差値が高い学校ほど難易度が高くなります。公立高校の受験は、試験の点数+内申書がセットになっています。内申書は定期テストなどの学科評価と出席日数・生活態度などの評価があります。不登校の子で出席もほとんどせず、定期試験も受けていない子の内申点は低くなります。中学3年生から不登校になった子の場合は、影響はそれほどなく、本試験の結果に大きく左右されるケースが多いようです。一方で中学1,2年生で不登校になっている子は出席日数が少ないために、評価も低くなります。

様々な事情があるにせよ、試験で同一点になった場合、内申点で判定するしか高校側はできないと言います。中学校の進路指導の先生は、昨年度の各高校の詳しいデータを持っているので、お子様の内申点から本試験に必要な点数を算出してもらえます。

私立高校

全日制の私立高校は、公立高校と基本的に試験などは同じスタイルになります。学校によっては不登校の子向けのクラスを解説していたりもします。お住まいの地域によって不登校を受け入れてくれる私立高校の状況は違います。今は、不登校の子でも内申点に関わらず入りやすくなっています。詳しくは、中学校の進路指導の先生にお尋ねください。

全寮制高校(私立)

不登校の子に人気なのが全寮制高校です。不登校で生活リズムが自宅では整えることができない子が多いので、全寮制の規則正しい生活が子供を変えてくれると評判です。精神科医の先生たちの中にも、自宅で単調な生活を続けると高校で再び不登校になる可能性があるため、全寮制を勧められています。不登校の子が多く集まってくるので、不登校対応のノウハウも蓄積していると言えるでしょう。

定時制高校

現在の定時制高校は基本的には昼間定時制です。夜間はほとんど少なくなり、都市部にしかない状況です。定時制高校を卒業には、高等学校に3年以上在籍し、合計74単位以上の単位の取得が必要です。そのため3年で卒業する人と、4 年で卒業する人がいます。昼間部、昼夜部、夜部の3部から選ぶ高校もあります。授業は1日4単位 ほどです。学習スタイルも、学校が決めた時間割で授業を受ける「学年制」と、自分でスケジュールを組む「単位制」があります。

単位制高校

普通科の高校では「学年制」といって、それぞれの学年で学ばなければならない科目が決まっていました。一方、単位制高校では、選択できる科目が非常に多く用意されています。そしてそれらの科目を学年を越えて学ぶこともできます。自分にあった科目を自由に選択し、自分だけの時間割を作ることができる点が学年制に比べて大きく違うところです。

通信制高校

通信制には、本校所在地と隣接する都道府県の1つから入学できる「狭域校(公立)」と、3つ以上の県をまたいで生徒を募集している「広域校(私 立)」の2種類があります。公立は学費が安いというメリットがあります。広域通信制の学費は高いですが、学校の種類が多く、専門的な科目や資格が取得できる学校もあります。

通信制では、学校から送られてくる課題の提出と添削を通して勉強します。レポート、単位認定のための試験、直接学校へ足を運ぶスクーリング(面接指 導)を通して高校卒業を目指します。通信制ではありますが、自主学習が苦手な人向けに通学コースなどを設けている学校もあるようです。