子供が学校へ行かなくなり、不登校になった時、保護者の方は「甘えではないの?」と考えます。学校へ行くのは義務であり、当然のこと。それを風邪でもないのに、学校を休むのは「甘え」以外の何物でもないと考えるのは普通のことだと思います。専門家の先生たちの意見では、不登校は甘えではありません。不登校の子たちが保護者に訴えるのは、「学校へ行きたいのに、体と気持ちが行くのを止めてしまう。」ということです。

不登校になるまでの「葛藤期」

子供が学校へ行かなくなるまでには、1か月以上の葛藤があると言われています。専門家は「葛藤期」と呼んでいます。1年の子もいれば、5年以上も葛藤している子もいます。その間、子供は親に相談する事はありません。学校へ行くのが当たり前で義務があると感じているので、学校へ行かない事を親と相談する事はできません。

葛藤期でストレスが蓄積されると、ある「きっかけ」で学校へ行けなくなります。このきっかけが心身症として現れる子もいます。頭痛、腹痛、胃痛、吐き気、下痢などの症状です。あるいは、友達関係が悪化した事がきっかけになる子もいます。あるいは、部活動で先生や先輩から叱られた事がきかっけの子もいます。

きっかけは子供によって違います。多くの保護者はきっかけに捕らわれて、葛藤期の子供の苦悩へ目を向ける事がありません。葛藤期を耐えて、ストレスの限界に達して、いつ爆発してもいいのです。だから、きっかけそのものはあまり大切なポイントではないと専門家は指摘します。どんなきっかけがあっても、結局は爆発していたと言います。

突然、学校と合わなくなる子供たち

葛藤期にストレスが蓄積される理由を不登校の子供たちに調査した研究結果によると「学校と合わなくなる」というものが一番多いです。合わない学校・場所へ行く事は大変なストレスとなります。それを子供たちは「合わなくなる」と表現しています。「甘え」とはニュアンスが違うように感じられます。すでに何カ月も我慢して、耐えていた子供にとっては努力の限界が不登校というわけです。「甘え」は「ちょっと辛い事があったから、行くのが嫌になった。」「学校の勉強が面倒くさいから、行きたくない。」というものです。大きく認識が違います。不登校の専門家によれば、この認識の差が不登校の初期対応を間違える原因だと言います。不登校の「葛藤期」のストレスについては「不登校小冊子」などの不登校についての専門の本などを読まれる事をお勧めします。