不登校になる子供の中で「アスペルガー」と診断される場合があります。人と上手にコミュニケーションが取れなかったり、興味がかなり極端に限定され、それによって日常生活に支障を来たしている子供です。その場合、アスペルガー症候群の疑いがあります。不登校の専門家に聞くと、不登校の子の100人に1~2人はアスペルガーだと言われています。アスペルガー症候群と言われるもので、発達障害の中の自閉症スペクトラムの一種とされています。高機能自閉症とも分類されます。アスペルガーそのものは知的障害ではないとされています。

アスペルガー症候群の特徴

①対人関係が苦手、上手くいかない

人付き合いがとても苦手です。アスペルガーの子供は、いわゆる「空気を読む」ことができません。理解はしているのですが、他人との距離間を適切に保って、コミュニケーションを取ることが上手ではありません。

例えば、会話している時に、目が泳いでしまったり、目線を合わせられない。話に集中できず、イライラしてしまったり、体の距離が近すぎたりします。こういう言動により、周りは違和感を感じてしまい、対人関係がこじれてしまいます。そこから「からかい」「いじめ」に発展する可能性が高いです。

特に日本人の場合、「空気を読む」「行間を読む」「暗に示す」という直接的な言語コミュニケーションではない、非言語コミュニケーションを得意としています。しかし、アスペルガーの子は、直接的な言語コミュニケーションは対応できますが、非言語対応は苦手です。冗談を真に受けるために、意志疎通がうまくいかず、友達同士の会話のやり取りを「いじめ」だと誤解する事もあります。

②想像力の欠如

アスペルガーの子は、想像力が乏しいと言われています。相手の気持ちになって考えられなかったりします。自分の考え、自分の思いが正しいと感じて、それを相手に合わせて変更する事ができません。一度決めたことを簡単に変更しないのは、想像力が弱く考えや発想の転換が苦手だからだという事になるわけです。想像力が弱いという特性は、実生活の中では、こだわりの強さとなって現れます。アスペルガー症候群の子は、規則や性格な数値を覚えると、それを絶対視する傾向があります。数学などの分野で特異な才能があります。正しいと思い込んでしまうと、途中の状況に合わせて変更ができなくなります。

予定外の出来事が起きた時、アスペルガーの子は、強い不安に襲われます。机の下に隠れたり、布団に隠れたりする場合があります。授業中に逃げ出して、体育館の裏にいたようなケースもあるようです

  • 気持ちが切り替えられず、次の作業にすぐ移れない。
  • 興味・関心が偏っている。
  • 予定が崩れることを嫌がる。対応できない。
  • 決まりを厳しく守ろうとして、例外や間違いを許せない。親にも強く当たる。
  • 基本の生活習慣に忠実です。習慣と違う事は出来ない。

このように立場に立って考えることが苦手であるため、アスペルガー症候群の方は、気遣いが苦手だったり、時に人を傷付けてしまうことがあります。また、相手と気持ちを「分かち合う」ことも苦手であり、喜びや達成感をともに分かち合うという事が上手ではありません。

しかし、「空気を読まない」「人に気を遣わない」という悪意があるわけではありません。アスペルガー症候群の方は非常に素直で正直な方が多いのです。悪意があるわけではないのだけど、「空気が読むのが苦手」「人に気を遣う事が苦手」だということです。

③記憶力・数学的能力の高さ

アスペルガー症候群の子は、数学や記憶能力の高さが特徴です。ある調査では、数学関係の仕事に就いている人にアスペルガー傾向の人が多い事が分かっています。これを「サヴァン能力」と呼ぶ場合もあります。発明家などにも、アスペルガー症候群がいると言われています。

子供でキャラクターや車、電車、昆虫などの種類をを全て記憶していたりする子がいます。芸術分野で活躍している人や歴史上の偉人の中にはアスペルガーだった可能性があると言われている人もたくさんいます。

しかしこの興味やこだわりが悪い方向に向いてしまう事もあります。些細なこだわりを曲げることができずに人を衝突してしまったり、他者から見ると不要と思われる儀式的な行動を行わないと気が済まないといった症状がなって表れることもあります。

アスペルガーの不登校への対応法

不登校の一般的な対応ではアスペルガーの子は対応できません。この子に接する全ての人の理解が必要です。アスペルガーの子を変える事はできません。理論や理屈で説得して成長させようとすることは無駄に終わります。特別な子として育てるべきだと言われています。周りの理解が少ない場合は、特別学級などを選択する事も考えるべきです。

不登校の専門家の先生たちも、アスペルガーが原因よる不登校の場合の対応方法はあまりないと言われます。その子を受け入れるしかないようです。アスペルガーのお子さんを持つお母さんで、上手に親子関係を築かれている方は、子供を褒めるのが上手なことが挙げられます。そして、約束をあまりしないことだと言います。約束をすると、それにとらわれるので、穏やかに接する事を基本とされています。

引用先:http://seseragi-mentalclinic.com/what-asperger/#ihttp://aspesyn.com/tokutyou3/